LGBTの仕事事情 ~Pooh編~

某有名私大学を卒業し、IT系会社員として11年が経った今

私(Pooh)は、某有名私立大学を卒業し、新卒よりIT系企業の会社員として11年以上経ちます。

今務めている会社は6社目になり、20代後半からマネジメントに携わらせていただいてます。

私はLGBTとして自覚したのがやや遅く、23歳にして初めて女性の方とお付き合いをしました。

その時新卒だった私は、会社でカミングアウトすることには抵抗があり、彼氏がいる設定で会社の人とはコミュニケーションをとっていました。

今考えれば少し不自然なコミュニケーションもあったので、会社の人からはかなり謎が多い新卒だったと認識されていたのではないでしょうか。

新卒時代から非常に生意気で有名な私でしたが、仕事はかなりできる方だったのではないかと思います。

全体の新卒営業研修では、飛び込み営業で某大手企業の案件を勝手に受注してきたり、その後の正式配属では毎月の営業目標を外すことはありませんでした。

仕事ではしっかり成績を残せていた私ですが、周りの同期や先輩にはカミングアウトはできませんでした。

「生意気」というラベルに対して何も感じませんでしたが、「レズビアン」というラベルには抵抗があったのだと思います。

自分自身がレズビアンであることに抵抗があるわけではなく、周りからそう見られることに抵抗があったのだと思います。

その後2社目でも特にこの気持ちは変わることなく、3社目の26歳にして初めて同世代の同僚にカミングアウトしました。

同僚(Hさん)とは入社後1か月ほどして週2〜3仕事後飲みに行くような仲になり、恋愛の話になった時に何も躊躇なく「女の子と付き合ってるんだよね」と伝えました。

Hさんは特に驚くこともなく、会話の続きをしていました。

会社の同僚というより、友人に近い存在だったから言いやすかったのかもしれません。

それからHさんとは実際に当時お付き合いをしていたパートナーと一緒に飲みに行ったり、気付いたら友人として皆で遊びに行くようになっていました。

Hさんにカミングアウトをしてから、少し抵抗感が無くなったのか、恋愛話になった時や、相手から聞かれた時には正直に答えるようになりました。

その後数回転職を重ねていますが、一番職場でのカミングアウトに影響をもたらしたのが1社前の会社です。

その会社では約2年半ほど在籍していましたが、SNS関連の事業を展開しているということもあり、平均年齢が20代、女性の多い環境でした。

マネージャーとしてインターンの方たちも含め約20名前後のメンバーと一緒に働いていましたが、非常に良い意味で距離も近く、仕事後メンバーの方たちを新宿二丁目に連れていくことも多々ありました。

現在6社目となる会社に関しては、入社前の会食にて社長にパートナーと2人の子供と暮らしていると伝えています。

入社前に伝えた理由としては、今後パートナーと一緒に生活するにあたって、自分自身にもパートナーにも嘘をつきたくなかった、という点と、万が一子供やパートナーに何かあった時にすぐに駆け付けられるようにしたかったからです。

少し話が長くなりましたが、私が様々な職場環境を経験して思ったことは、当たり前でシンプルなことです。

LGBT関係なく、真面目に誠実に仕事の業務、職場の人と向き合っていれば、自然と素敵な方たちが周りに集まってくる、という点と、自分自身が思っているよりも周りの人はそんなに気にしていない、という2点です。

ただ、私はすごく恵まれている環境に今も、今までも居たのではないかと思います。

「(c)特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ 2020」

まだ、LGBTを完全受け入れてくれる社会ではないのかもしれませんが、全員が否定的な社会でもないということを私は日々感じています。

私もまだ日々生活する中でレズビアンということで不快な思いをすることも多々あります。

少しでも早く、全員が生きやすい環境になれば良いなと思いますが、それには自分自身もしっかり自分と向き合い、周りの人とも誠実に向き合うことが一番重要なことではないでしょうか。

東京育ちバイセクシャルの35歳。 IT、マーケティング一筋マネジメントレイヤー。 人間、子供、動物大好き。人と飲むお酒も大好き。初対面の人に怖く見られがち。 英語が堪能。